2012年10月19日金曜日

斜里岳


斜里岳は知床半島の付け根に位置する休火山で、約25万年前の噴火で現在の円錐形の山容が形成された。オホーツク海側から眺めると、山裾が長く富士山型の独立峰に見えるため、オホーツク富士とも呼ばれている。「シャリ」とはアイヌ語の「サル」が訛ったもので「葦の生えた湿原」の意味する。現在は畑作地帯が広がる山麓も開拓以前は広大な湿地帯であったことがうかがえる。登山道から見る景色は、オホーツク富士と呼ばれる山容とは異なり、尾根と谷が複雑に入り組んでいて、羽衣の滝、見晴の滝、竜神の滝と名付けられた大小の滝が連続していてる。頂上部分は溶岩ドームが形成され、直下の崖ではこのドームの玉葱状の節理を見ることができる。頂上からは畑作地帯の向こうのオホーツク海や海別岳から北東のびる知床連山の眺めが美しい。

「日本百名山」より

深田氏にとって斜里岳はその姿を写真で見て以来の憧れの山であった。登る機会を得てその美しい山容を実際に見ることができたのは入山日の午後一度きりで、このことを非常に残念に思っている。奥さんと次男、釧路山岳会のメンバーを伴い清里町駅に降り立ち、清岳荘に一泊して翌日山頂に立った。現在最もポピュラーなルート、滝の連続する旧道から登り、尾根伝いの新道を下った。山頂では濃い霧に展望を阻まれたが、その優美な山容と下山時に見た高原風の美しい景色に十分魅せられていた。昔から名山として崇められていたこの山にはアイヌ語の「オンネプリ」(大山の意)という山名がふさわしいとしている。





斜里岳の登山口へのアクセスは知床斜里からの路線バスの廃止以来、車の利用が基本となっている。最寄りの女満別空港から入る場合は、女満別空港線か知床ライナーで網走・知床斜里まで行き、JR釧網本線に乗り継ぎ、清里町で下車する。清里町市街から登山口の清岳荘までは約15kmもあるのでタクシーを利用することとなる。新千歳空港から入る場合は、札幌より都市間バスイーグルライナーかドリーメントオホーツク号で道東方面へ向かう。イーグルライナーは1日2便と少ないが、清里町を経由するので時間があえばこれを利用したい。また夜行便を利用すると日帰り登山が可能となり、宿泊費の節約と旅程の短縮になる。JR特急オホーツクを利用すると都市間バスよりも移動時間は短くなるがコストは高くなる。レンタカーを利用すると、タクシーの利用もなくなり、近隣の羅臼岳とのセット登山もスムーズになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー交通機関情報
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JR快速エアポート
新千歳空港ー札幌間
最速36分 1040円 1日50便以上
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イーグルライナー (中央バス・斜里バス)
中央バス札幌ターミナルー清里町新栄間 (札幌⇄知床)
5時間35分(夜行便6時間00分) 片道 6800円 往復 12900円 回数券4枚綴り 24500円
1日2往復 予約制
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ドリーミントオホーツク号 (中央バス・北見バス・網走バス共同運行)
中央バス札幌ターミナルー網走駅前間 (札幌⇄網走)
5時間47分(夜行便6時間17分) 片道 6210円 往復 11710円 回数券4枚綴り 22080円
1日9往復 予約制
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JR特急オホーツク (JR北海道)
札幌ー網走間 (札幌⇄網走)
5時間25分〜5時間29分 9130円 1日4往復
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スターライト釧路号 (中央バス・阿寒バス・くしろバス)
中央バス札幌ターミナルー釧路駅前間 (札幌⇄釧路)
5時間35分(夜行便5時間50分) 片道 5610円 往復 10200円 回数券4枚綴り 18360円
1日3往復 予約制
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女満別空港線 (網走バス)
女満別空港ー網走駅前間 (女満別空港⇄網走)
30分 880円 フライトにあわせて発着
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知床エアポートライナー (斜里バス・網走バス)
女満別空港ー斜里バスターミナル間 (女満別空港⇄知床)


6月中旬〜10月中旬の季節運行 1時間19分 2000円 1日3往復

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新千歳空港レンタカー店 20店舗以上  女満別空港レンタカー店 10店舗
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日本航空(JAL)  全日空(ANA)  北海道エアシステム(HAC)  新千歳空港  女満別空港
JR北海道旅客鉄道  中央バス  網走バス  斜里バス  阿寒バス  くしろバス  北見バス  北都交通
清里ハイヤー
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滝の連続する沢を登り山頂を目指し、展望の開けた尾根道を下る人気のルート。斜里岳登山者の大多数は清岳荘から入り、その多くは上りに旧道コース、下りに新道コースをとるこのルートを歩く。登山基地の清岳荘までは清里町市街から約15km、バスの運行はなく車の利用が必須となる。北側からの三井(玉石ノ沢)コースもあるが、駐車スペースのみの登山口で、登山者がほとんどいないという印象からか、こちらからの登山者は格段に少ない。

ルートガイド

清岳荘の脇の登山口からダケカンバの樹林帯に入っていくと、やがて旧清岳荘跡地へと続く林道へと出る。斜里岳道立自然公園の大看板を過ごし、登山道へ入っていく。一の沢沿いを徒渉を繰り返しながら登り、左手に仙人洞の洞窟を過ごすと、まもなく下二股の分岐にでる。この分岐で熊見峠への新道と一の沢伝いの旧道とに分れるが、上二股で再び合流する。上りは沢伝いの道をとり、水蓮の滝、羽衣の滝、万丈の滝などの滝を眺めながら、ローブや鎖をたよりに登っていく。見晴の滝あたりからは振り返るとオホーツク海が見える。さらに七重の滝、霊華の滝などの滝の淵を登り、右手からの支流に竜神の滝を見ると、細くなってきた沢水も涸れて上二股の分岐にでる。このあたりからはダケカンバやミヤマハンノキの低木帯なるが、やがて視界が開け胸突八丁の急坂となる。そのジグザグのガレ場の急坂を登りきると斜里岳と南斜里岳の鞍部にあたる馬の背にでる。ここから先は傾斜のきつい高山植物帯の尾根道となり、小祠のある斜里岳神社を過ごすと山頂は間近である。下山は一旦往路を戻り、上二股の分岐から熊見峠を越える新道コースを歩く。新道ははじめミヤマハンノキやダケカンバの樹林帯の上り下りを繰り返すが、竜神池への分岐を見送ると視界の開けたハイマツ帯の尾根道となる。振り返ると先程まで立っていた斜里岳の山頂部が大きく聳えている。緩やかな尾根道は熊見峠まで続き、斜里岳の展望台とも言われている。熊見峠からも尾根道がつづくが、やがてダケカンバの樹林帯の道となる。斜度は次第に増し一の沢に向かって一気に下るつづら折りの急坂となり、下二股の分岐で往路と合流する。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー斜里岳お役立ち情報サイト
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清里町HP  きよさと観光協会
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斜里岳参考宿泊施設
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JR清里町駅より徒歩10分 素泊 5260円より
きよさと温泉の宿 シーズン中は斜里岳登山の宿泊者多い 
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清岳荘 (斜里岳登山口の山小屋)
6月中旬〜10月初旬営業 素泊 1500円 寝具一式 300円
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清里オートキャンプ場
コテージ・バンガロー施設あり
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斜里岳周辺温泉情報
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きよさと温泉 (ホテル緑清荘内)
JR清里町駅より徒歩10分
10:00〜22:00 (土日祝日は21:00まで) 年中無休 380円
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セット登山の提案
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阿寒岳・斜里岳・羅臼岳3座に登る

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